ごあいさつ

 自然は、じねんとも詠み、人の力では如何ともしがたく、自ずから生成展開する存在です。私たちが地球上で暮らすということは、自然のプログラムのなかで生きることにほかなりません。しかし20世紀の人類は、自然をテクノロジーによって克服することができると楽観的に考えました。その結果が、地球温暖化という現象です。


 夜の闇に眩い真昼を出現させ、夏の暑さ冬の寒さは空調設備によってコントロール、最大の恵みである食物に対してもDNAを操作しつつあります。近代が追究したのは、利便性であり身体的快をもたらすものばかり。そこに不足していたのは、人間が本来もっている身体性と精神性だといえそうです。あらためて考えてみると、もっとも身近な自然は人そのもの、人間の身体こそ自然なのです。そしてモノの豊かさの先に心の充実を求め、足りるを知る世界観が希求されています。


  文明・文化はテクノロジーとともに変わります。とはいえ、これほど激しくグローバリゼーションが進行しているのに、変わらない文化もあります。近代化の成功がもたらした産業化。産業化が育んだ都市化。都市化がもたらした集合住宅(マンション)にあっても、「靴を脱ぐ」「床に座る」というライフスタイルを変えることはできませんでした。

 不易流行。新しみを求めてつねに変化していく流行性が、実は俳諧の不易の本質であり、不易と流行とは根本において結合すべきであるとする蕉風の理念を、どのように読み解くのか。いつの時代にも必要とされる企業とは、変化を先読みして、斬新な提案ができる、つねに人の目線で考え、行動できる企業ではないでしょうか。


  私どもD&D建築設計事務所は、ステークホルダーの皆さまの要請と期待に即応できる、頼りがいのある建築設計事務所になることを目指して、日夜研鑽に努めてまいります。なにとぞ倍旧のご指導、ご鞭撻をよろしくお願い申し上げます。


株式会社D&D建築設計事務所
会長  野口英雄